昨年4月に開業した鶴牧の宿泊研修施設「リンクフォレスト」が存在感を示している。企業の研修場としてだけでなく、コロナの感染拡大によって変化した慣習に合わせたサービスで一般利用を増やしているほか、多摩市のコロナワクチン接種会場になるなど「公共の場」としての役割が増している。
リンクフォレストは昨年4月、通信サービス事業などにあたるKDDI株式会社の施設として多摩センター駅に近くにオープン。都心からのアクセスが良く、みどり豊かな喧騒から離れた地にある施設として同社は自社社員だけでなく、他企業なども含めた研修場として門戸を開いた。
当初から課題となったのがコロナの感染拡大だ。全国的に「密」を避ける慣習が広がるなか、まず取り組んだのがテレワーク支援。応援企画と銘打ち、4月中旬に仕事や学習で使用できるシングルルームの提供を開始し、在宅勤務となったビジネスマンらを取り込むと、夏以降は一般向けに宿泊プランを打ち出し、「Gotoトラベル」を使って施設に近いサンリオピューロランドへ向かう人などの需要を呼び込んだ。
また、今年1月には多摩市の成人式の会場となり、春以降は関戸、永山の両公民館と共に市のコロナワクチンの接種場として活用されるなど、「公共の場」としての役割も増えている。
市の担当者は「近隣の公共施設にはない大きなホールがある点が大きい。多摩センターエリアの活性化にもつながると考えている」とリンクフォレストで街の催しを開く理由を語る。
施設を運営するKDDIラーニング株式会社の松野茂樹社長は「多摩は元々、KDDIグループの関連施設が数多くある地。ご縁がある街に貢献していきたいという思いは強い」と話す。
人材育成のハブに
一方で同社長はリンクフォレストをこれからの人材育成の場にしていきたいとする。今年5月には多摩地域の自治体が加盟する東京都市長会主催の職員向け「DX」勉強会を施設内で開催。場所を提供するだけでなく、KDDI社員が自社のもつDXに関するノウハウを提供した。
松野社長は「当施設が人材育成に関する情報をもつハブになっていきたい。DXなどを学ぶ機会の少ない地方へも情報を発信していき、地方創生につなげていければと思う」としている。
![]() 【1】多摩センター近くにあるリンクフォレスト【2】研修スペース【3】一般利用も可能な宿泊スペース
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