多摩市の誕生と時を同じくして生まれた市民グループ「多摩無線クラブ」が現在まで街と共に歩みを続けてきた。設立して50年。9月5日には、市制施行50周年に合わせた市民企画事業の1つとして、無線局を開き、記念の交信カードを発行。「多摩市50周年」を全国へと発信した。
「どんな人と出会えるのか、わくわくしながら交信するのが無線の楽しみです」。そう語るのは現在、同クラブの会長を務める伊藤穀さん(79)。自身、多摩へと移り住んできた40代初めの頃に入会したクラブは知り合いを増やすのにつながってきたと振り返る。
クラブの設立は1971年。今のようにパソコンやスマートフォンなどの通信機器が無い時代、無線は市民が全国各地の人たちとつながれる数少ないツールだった。
伊藤さんも学生時代から憧れていたものの、無線機器は高額で、ようやく始めることができたのが自動車会社に勤めていた40代の頃だったという。無線を楽しむ人のなかには交信を楽しむ人がいる一方で、自分の手で無線機をつくることに熱中する人も少ないと言い、「私が入会した頃はアマチュア無線の最盛期だったかな。当クラブもみんなでそれぞれの家族を連れて無線機をもってぶどう狩りに行くなど、活気がありました。楽しかったね」と当時を懐かしむ。
6月まで
そんな同クラブは発足当時から、市が誕生した際など、街の記念年にはオリジナルの交信カードをつくり、無線でつながった人たちにプレゼントしてきた。
今月5日には市制50周年を記念した無線局を鶴牧西公園内に開局し、「多摩市50年」を発信。全国のアマチュア無線局にPRしたうえで、希望者には記念の交信カードをプレゼントした。
「来年の6月まで続けていく予定です。つながった方々はみんな多摩のことを知っていて、カードのプレゼントを喜んでくれました」と笑顔になる伊藤さん。メンバーのなかには2時間で100件近く、やり取りをした人もいたと振り返る。
これからも
多摩の街と歩みを共にしてきた同クラブ。市内で少子高齢化が進むなか、20人を超えるメンバーが名を連ねるクラブもほとんどが70代に入り、若い会員が入ってこない現状という。
伊藤さんは「多摩の50周年を祝う今回の企画を立ち上げたのはクラブをPRするためでもある。多くの新入会員を増やし、これからも街と共にクラブが歩んでいけるようにしていきたいと思います」と意気込みを口にしている。
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