ハンドボールの小学生・都大会で先ごろ、優勝した多摩市内クラブの代表を務める 宮嶋 良考さん 一ノ宮在住 54歳
教育者に方向転換
○…「まずはしっかり守る」。そんな戦略のもと育てたクラブの女子チームが2月、6年ぶり2回目の頂点に立った。初優勝時と異なったのは選手たちの表情。6年前は勝利第一主義。厳しく指導にあたり、自分の顔色を伺う選手が多かったが、今回はみんな満面の笑みをみせてくれた。「今は勝ちは二の次。でももちろん、うれしいです」。卒業したOBからの祝福が喜びを倍増させてくれた。
○…指導方針を変えた転機となった出来事が、自身の大病。入院しベッドから天井を見つめる毎日。自然とクラブのこれまでを振り返るなか、自分は子どもたちに何をしたかったのかと悔いることに。元々、教育者を志していた熱血漢。子どもたちにとって今必要なのは社会で活躍するための土台づくりでは、と思い直し、無事に現場復帰してからは社会性の向上などを第一に指導にあたってきた。「ほめると大きく伸びる。学びでした」
○…普段は保険会社に勤める。法人向けの保険を専門とし、クラブでの活動同様、顧客らに熱く提案する毎日だ。「安心を生む業務。充実しています」。一方で仕事で得たプレゼン能力はクラブでも生かされている。根拠をもとにした各年代に応じた練習プランはびっしり念密に。「子どもたちには身体を動かすことの楽しさをプレゼンしているようなものです」
○…クラブは今、転換期を迎えている。自身が引っ張るクラブから今月、「長く続くクラブにしたい」と一般社団法人化し、誰もが運営できる場所へと変えた。4月には中学生チームを新設する。「信頼できるスタッフがいるからこそできた改革でした」。クラブからの卒業も考えるようになった50代。ただ、未だクラブの誰よりも熱いのも事実だ。