多摩市は先ごろ、水道直結型浄水器のレンタル事業などにあたるウォータースタンド株式会社(本社/さいたま市)と使い捨てプラスチック容器削減を目的とした協定を締結した。この協定により、市は一部公共施設に同社から無償提供された給水機を設置し、市民のマイボトル利用を促していきたい考えだ。
協定は3月24日付け。同社の給水機は4月以降、多摩市役所・本庁舎1階や市民活動交流センター、一ノ宮児童館など4カ所に設置され、市民が給水機からマイボトルを使い給水することが可能となった。
冷水機に代わり設置された市役所内の給水機は利用者が増えているという。「徐々にマイボトルを持ってきてくれる方が増えている。持ち歩く文化が定着していけば」と市担当者。給水機は当面4カ所に設置され、最終的には30カ所ほど設置される予定という。
今回の協定と同様に、2019年から同社の給水機を町役場に設置した神奈川県葉山町はおよそ1年間でペットボトルのごみを9割近く削減することに成功したという。「私たちは役場内にあった自動販売機のペットボトル商品の取り扱いを中止にしたことを受けての給水機の設置だった」とし、「役場を訪れる町民だけでなく、職員の意識を高めることにつながり、効果があがったと考えている」と同町担当者は振り返る。
担当するウォータースタンド社の府中営業所・笹森恵介所長は「安心安全の水。このような形での協定締結は多摩地域で初めて。多くの方に活用してもらいたいと思う」と笑顔をみせる。
増加傾向
市内のプラスチックごみは増加しているようだ。市の15年から最新の集計情報となる20年までのプラスチック(容器)とペットボトルのごみは共に毎年増加。昨年も「コロナ禍による自粛生活の影響で増えている可能性が高い」(ごみ対策課)という。
そんななか、市内施設ではプラスチックごみの削減を目指し、濡れた傘をしまうための傘用ポリ袋の提供を中止する動きがあるという。傘立てを増やしたり、なかには「マイ傘袋」を配布した施設もあると市担当者。「いずれも、海洋汚染の防止や地球温暖化対策などにつなげていく試み。広まってもらいたい」としている。
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