会社員として働きながら、プロ格闘技に挑んでいる若者が多摩市内を拠点に汗を流している。落合にあるトライデントジム所属の椿飛鳥選手(27)だ。若くしてチャンスをつかみ、挫折を味わいながらも真摯に格闘技と向き合う毎日を送っている。
現在、総合格闘技団体「修斗」のフェザー級(65・8キロ以下)を主戦場とする椿選手。格闘技を始めたのは八王子の大学に入学後だった。
パンチ、蹴り主体の格闘技から始め、寝技もある総合格闘技の世界へ。全くの素人だったものの、寝技など、バラエティに富む技の1つ1つを覚え、習得する必要がある総合格闘技において元々の職人気質が生きたという。
他の選手が音を上げる単調な練習の繰り返しでも1つ1つの技を極めることに引き込まれ、反復練習が苦にならない性格。そして、高校まで続けた野球で鍛えた体力も生き、めきめきと力をつけていくと大学卒業前にはアマチュアの全日本大会を制する快挙を果たした。「うれしかったですね。格闘家として自信になりましたね」と椿選手は当時を振り返る。
「アマチュア日本一」の肩書は様々なチャンスを呼び込んでくれた。インターネットTVで取り上げられるきっかけとなり、アジア最高峰といわれる格闘技団体の試合へと呼ばれる要因にもなった。
また、その実績を評価し社員として採用してくれる企業も現れることになった。
勝ち恵まれず
一方で、椿選手は社会人となり、プロ格闘技に挑むようになってから負けが続くように。プロ初勝利を含むいくつかの勝ちは拾ったものの、コロナ禍のなか、試合が組まれないこともあり、今年4月に修斗が主催する新人トーナメントの1回戦に勝利するまでおよそ1年半の間、勝利がなかった。
ただそんななかでも、「格闘技は飽きることがなかった」と椿選手。出口の見えないなかでも腐ることなく地道な練習を継続することができたことが4月の勝利につながったと話す。
トーナメントの次戦は9月19日(祝)に決まった。「やはり優勝したいですね。お世話になっている方々への恩返しにもなると思うので」
50歳現役が目標
椿さんに一から格闘技を教えてきた同ジムの森修会長は「これまではメディアに取り上げられ、知名度が高くなった分、強い選手と対戦させられることが多かった。これから1つ1つ実績を積んでいってもらいたい」と椿選手へエールを送り、対して椿選手は「会長のように格闘技を楽しんで追求していくことが第一。50歳現役が目標なんです。自宅や会社のある都心から今も多摩へ練習に通う理由はそこにあります」
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