多摩市を拠点に医療や介護サービスを提供する河北医療財団・多摩事業部が新たな認知症の啓発活動を始めた。認知症啓発のシンボルカラーになっているオレンジ色の花を多摩市内に広め、症状についての理解浸透を目指す取り組み。9月の世界アルツハイマー月間に向けて現在、花の数を増やしている。
「認知症になっても暮らしやすい街をみんなでつくっていこう」――。そんなメッセージのもと、新潟県長岡市で始まったこの取り組み。「オレンジガーデニングプロジェクト」という名称で全国各地に広まりつつあるなか、コロナ禍で人を多く集め行ってきた啓発活動ができなくなったこともあり、同事業部では実施を決定。運営する高齢者施設の花壇やプランターなどへマリーゴールドやジニアなどのオレンジ色の花を植え始めた。
「当施設の職員のほか、施設利用者で育てていく。9月の世界アルツハイマー月間にはより多くの花がみられるようになれば」と同事業部担当者は話し、SNSなどで一般にも広めていく考えという。「オレンジ色の花で多摩が包まれ、認知症への理解が進んでいってもらいたいと思います」
不安な心を払拭
取り組みには活動に賛同した南野の恵泉女学園大学の学生らも参加。花の種を提供し、同事業部関係者らに花の育て方を指導するなどしている。
植物や園芸作業によって心身の回復を図る園芸療法の第一人者でもある同大学の澤田みどり特任准教授によると、オレンジ色の花は視力の落ちている人でも比較的見やすいもので、認知症の当事者が周囲と共に花を植えることは、「活動後に植えたことを忘れてしまうことになっても、不安な気持ちを払拭することにつながることはあると思います」と話す。
活動発表も
同事業部によると、唐木田で9月23日(祝)に行われる催しでも活動は発表される予定といい、この取り組みへの参加希望者は同事業部の専用サイト(「オレンジガーデニングプロジェクト多摩」と検索)などから。
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