JICA海外協力隊員としてベトナムへ向かう 高山 夏美さん 多摩市在住 27歳
「普通の私でも、できる」
○…大学卒業、電機メーカーで法人営業職を務めるなか、参加することを決意。幼い頃からどちらかというと「おとなしい方」。自分でも驚く決断だった。それでも、「大学時代に国際支援について学んでいたこともあり思い立った。至って普通の私でもできるんだって示したい気持ちもあって」。現地ではNGOに所属し、貧困層が生産する工芸品などの販路拡大の支援にあたる。
○…小学校低学年の頃に多摩へ。学級委員長など、皆を率先して引っ張ることとは無縁だったが、黙々と物事に取り組み、周囲の信頼を集める。そんな子だった。自称は「内弁慶の外地蔵」。「自宅の方がおしゃべりになるってよく母から言われていまして」。一方で、幼い頃から今でも続けているピアノや習字など、「1つのこと」を継続、極めることができたことに誇りをもっている。
○…かつてない決断を後押ししたのは社会人生活で身につけた自信もある。営業職として、二回りも上の顧客を前にプレゼンを重ねる毎日。相手のエンドユーザーをイメージしての提案を心がけ、実績を残してきた。更に定期的に開かれたマーケティングの勉強会によって視野が広がったことも大きかった。「今回、ものづくり支援を選択したのも電機メーカーでの経験からです」
○…出国まであと1カ月。ベトナム語を話せず、東南アジアへ行くのも初めて。「今は不安が尽きない」が正直なところだが、任務を完了した2年後の自分を思い浮かべることが勇気を与えてくれている。「現地で多くを学ばせてもらい、その後のステップアップにつなげていければと考えています」。2年後の「普通でない私」はどうなっているのか――。楽しみで仕方がない。