建築家でイベントの仕掛人として地域を盛りあげる 横溝 惇さん 落合在住 39歳
「自ら楽しむこと」忘れずに
○…多摩市内に定着し始めたベトナムランタンを使った催しなど、地域に活気を生む企画の仕掛け人として存在感が増している。落合の商店街内に事務所を開いて5年目。一般住宅の建築にあたる一方で、イベント企画に関する相談を受けることが増えた。元々あった「既製品」に少しの仕掛けを施し、皆を驚かせる。そして、自らも楽しむのが横溝流だ。
○…多摩に来る前までは現在のように地域と関わるとは考えていなかった。たまたま妻の実家に立ち寄った際、散歩の途中にあった多摩ニュータウン内の商店街。何気なく覗くと、「何かここでできそう」とわくわくしたのが始まりだった。その地を拠点とし独立すると本業の傍ら、助言もあって大人が語り合える場を設けてみた。「いろんな方が集まってきた。地域の可能性を感じましたね」
○…埼玉県出身。幼いころからものづくりが好きだった。自宅にあった建築の作品集に魅せられ、小学校の卒業アルバムには将来の夢を建築家と書いた。当時も今も変わらないのは街歩きが好きなところ。おしゃれな街並みも嫌いではないが、タイやベトナムのような生活感あふれる街並みに強く惹かれる。「圧倒的な迫力。自由な感じが良いんです」。自身の目指す方向でもある。
○…今月下旬にもアイデアを出した企画が永山で行われる予定だ。多摩ニュータウンの活性化を目的にしたもので、自身に期待されているのはそこだと感じている。高齢化の進行などマイナスなイメージを抱かれがちなニュータウンを「活動を通じて知り合ったクリエイターたちとおもしろくしていければ。自分が楽しむことを忘れずに」。人前では多くを語らないのは幼い頃から。背中で皆を引っ張っていく。