多摩市周辺で練習を重ね、国民体育大会のトライアスロン競技で優勝した 江田 佳子さん 川崎市在住 28歳
「ハイタッチ」に一目惚れ
○…永山の国士舘大学時代はバタフライなどを専門とする競泳選手だった。卒業後にトライアスロンに取り組むようになり、今回が初めてのビッグタイトル。得意のスイムで上位につけ、2種目目のバイクで粘り、最後は幼い頃から速かったというランで後続を突き放した。「競泳時代を含め、大きいレースでの優勝は初めて。うれしい」。新生の誕生に会場はわいた。
○…トライアスロンに興味をもったのは大学4年の秋。誘われてこの三種目で構成される競技を観戦すると躍動する選手らの迫力に圧倒された。ゴール前では1位で駆け込んできた選手が観客とハイタッチ。ひたすらストイックにゴールを目指す競泳とは異なる様子に一目惚れし、「私もやってみたい」と決意。門を叩いたクラブの代表からの「世界を目指せる」という言葉が後押しした。
○…負けず嫌いなところが強みだ。幼い頃は川崎市で過ごし、口数が少ない子だったが、さまざまな球技が得意でかけっこも速かった。ただ、一番力を入れるようになったのは思うようにタイムが伸びなかった水泳。上手くいかないことを理由に逃げたくないという一心で、「背が伸び始めた高校の頃くらいから水泳でも結果が出るようになりました」と振り返る。
○…国体の1週間後に行われた日本選手権では3位の結果を残した。初めて出場した際の最下位から毎年順位を上げ、勢いそのままに目指すのは開催まで2年を切ったパリ五輪。多摩市沿いの多摩川のサイクリングロードなどでランやバイクの練習を積み、一方でコーチとして水泳を指導するなど、多忙な毎日を送るのは全てそのため。「大舞台でハイタッチを」――。目標を叶える日まで全力疾走していくつもりだ。