障害がある無しに関わらず、皆が一緒に楽しめるニュースポーツ「ボッチャ」の延期になっていた多摩市民らを対象とする大会「TAMAカップ」の開催が来夏に決定した。主催する市内の福祉団体や大学などで構成される「ボッチャ2020TAMAカップ」実行委員会は体験会を開くなど、機運の醸成に取り組んでいる。
「ああっ、もう少しで当たったのに、ほしい」「すごい。命中した」――。今月22・23日に聖蹟桜ヶ丘駅近くの商業施設内で開かれたボッチャの体験会。買物客で賑わうフロアにコートが設けられ、家族連れや高齢者夫婦などがひっきりなしに訪れた。参加者はボッチャの革製のボールをつかみ、感触を確かめると目標となる球に向け、投げたり、転がしたりしてゲームを楽しんだ。
催しを企画したのは「ボッチャ2020TAMAカップ」実行委員会。新型コロナの感染拡大を受け、2020年大会が延期となって以来、新たな開催日について模索してきたという。
会の実行委員長を務める相馬洋三さん=中面・人物風土記で紹介=は「来年6月の開催が決定した。今年は体験会を開くなど、より多くの方に競技を知ってもらう期間にしていきたいと思う」と意気込む。
熱高まり
多摩市内でボッチャ熱は高まっている。同実行委員会の事務局となっている多摩市は東京パラリンピック開催を契機に、障害者理解をレガシーとして定着させようと選んだものの1つがボッチャだった。障害の有無だけでなく、年齢や性別も問わずに皆で楽しめるものとして、競技の普及、啓発に取り組み、最近は市立総合体育館(東寺方)などで競技を楽しむ老若男女の姿を目にすることが増えた。
その効果に期待し、ボッチャの普及を目指す自治体は増えているようだ。同競技の国際大会を17年に国内で初めて開催したことをきっかけに街への浸透を図ってきた武蔵野市は体育施設などにおけるバリアフリー化が進み、同市担当者は「障害者や多様性への理解が高まった」という。一方、ボッチャは取り組みやすいスポーツであるため、障害者や運動に苦手意識をもつ人が身体を動かすきっかけになることも少なくなく、健康寿命の延伸に役立つという専門家の声もある。
多摩市の担当者は「市では部署を超え、ボッチャの浸透を図っている。競技を通じて市内で共生社会の意識が高まっていけばと思う」としている。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
<PR>
多摩版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|