恵泉女学園大学(南野)の学生らが紙芝居を通して、平和の大切さや戦争の恐ろしさを子どもたちに伝える「語り部」の活動を行っている。昨年12月からは多摩市内の中学校などへの出前授業を始めた。
「広島の原爆で亡くなった人は多摩市の人口とほぼ同じの14万人」。市内中学校で昨年行われた同大学の平和紙芝居研究会「クプカ」の出前授業。広島・長崎に投下された原子爆弾による悲劇を取り扱った紙芝居作品「二度と」(松井エイコ作・童心社)をクプカメンバーが児童らに紹介すると、その前に行われたレクリエーションではしゃいでいた子どもたちは原爆が落とされたシーンで表情が一変。紙芝居に見入るようになった。
20年から
「平和の語り部になろう」とクプカがこの活動を始めたのは2020年。同大学教授の岩佐玲子さんが自ら心を打たれた作品として、「二度と」を平和学習に取り組む学生らに紹介したいと声をかけたのが始まりだった。そして、クプカを結成し活動を進めるうちに、「より多くの人に知ってもらいたい」と大学外にも活動の幅を広げるように。文化複合施設パルテノン多摩内の親子が集まるスポットや図書館などで「二度と」を実演し、昨年12月からは市内の中学校でも行うようになった。
岩佐さんは「中学校ではクプカの実演後、子どもたちにも紙芝居『二度と』に挑戦してもらうようにした。より戦争の恐ろしさや平和の大切さについて考えてもらえるようになると考えています」と話し、クプカの代表を務める溝田桃子さんは「子どもたちは素直に聞いてくれている。活動を始め、戦争について更に勉強するようになった」と振り返る。
「大変意義深い」
そんなクプカの活動に多摩市教育委員会の千葉正法教育長は「平和について、大学生の皆さんと一緒に学ぶことは大変意義深いこと。紙芝居は子どもたちに人気。今後も学校を訪れてもらいたい」と期待を寄せる。学生たちの活動を見守る岩佐さんは「より多くの学校から声がかかるようになった。学生から子どもたちに伝える新たな形の平和教育として広まっていけば」と話している。
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