愛宕団地(愛宕第二住宅)で交流拠点づくりが進んでいる。住民の高齢化に伴い活気創出が課題となっている団地周辺エリアの再生を目的とするもので、4月中旬にオープン予定。194・25平方メートルの空き店舗スペースに飲食や物販スペースなどが設置される計画で、2021年秋から始まった取り組みには周辺住民のほか、行政や学生らが参加。愛宕地区再生への機運が高まっている。
拠点づくりを先導するのは、全国各地で地域のコミュニティ再生を果たしてきた一般社団法人コミュニティネットワーク協会(静岡県)。
団地を管理する東京都住宅供給公社(JKK東京)からの委託を受け、住民の高齢化率が60%を超え、かつての活気が失われている同団地周辺の再生を目的に多世代が集まる交流拠点づくりにあたってきた。
住民の声収集
まず、同協会が始めたのが住民の声の収集だ。拠点の開設予定地である団地の空き店舗内に生活相談に乗る窓口を開設したほか、イベントを企画して集まった団地住民らの世間話などに耳を傾け、「愛宕」再生のヒントを探ってきた。
同協会の代表理事を務める渥美京子さんは「このようなものがあるから来て、では人は集まらない。住民らの声を聞き、その地域の悩みを解決するものを揃えた場所にすることで人が集まる拠点になると考えている」とその意図を話す。
4月中旬に
そんな住民らの声を生かした交流拠点は4月中旬にオープンすることが決まった。194・25平方メートルの空き店舗に飲食や物販スペースのほか、高齢者が支援サービスを受けられるスポット、生活相談ができる窓口などが設置される予定だ。
愛宕地域で高齢者支援のボランティア活動にあたる男性は「新しくできる拠点に魅力を感じて、若い人たちが愛宕に暮らすようになってくれれば。できることは協力したい」と期待を寄せる。
後継者も
協力者は増えている。当初は「夢物語」として反発を受けることもあった拠点づくりは、意見交換を目的とした「会合」を重ねるたびに理解を示す地域住民の数を増やし、「近所でコーヒーやお酒が飲める場がほしい」という地域の声を受け、昨秋にテストケースとして拠点予定地で開いた「カフェ&居酒屋」と称した催しには子どもから高齢者まで多くの地域住民が参加。活気が見られた。
渥美さんは「今年に入り、学生も協力してくれるようになった。あくまでも住民主体の拠点。取り組みを進めながら、今後の愛宕地域を支える人材育成も図っていきたいと考えている」と話している。
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