多摩市が聖蹟桜ヶ丘駅周辺などで問題となっているムクドリ対策に「新兵器」を導入する。今年度初めて予算を取り購入した携帯型のLED照明装置で、フンによる被害や騒音問題を引き起こすムクドリの飛来をこの装置の照射によって防ぎたい考えだ。
ムクドリの被害は多摩市内で長く問題となってきた。毎年5月から11月ごろにかけて、聖蹟桜ヶ丘駅周辺中心に、永山や多摩センター各駅周辺のビルなどに飛来。フンをまき散らし、エサを求めて集団で移動する騒音は大きく、周辺の店舗や駅利用者などを悩ませてきた。
そのため、これまで市はねぐらをつくる街路樹の一部を伐採し居つけないようにしたり、ムクドリが嫌がる「鳥の声」をテープで流すなどして飛来防止にあたってきた。ただ、十分な効果を得られないまま、より多くの苦情が昨夏に市へ寄せられたことなどから、今回の「新兵器」導入に至ったという。
市担当者は「静岡県浜松市でムクドリ対策として効果があったと聞き、導入した。このLED照明装置の効果で全てのムクドリがいなくなるとは考えていないが、抑制につながればと思う」と意気込む。
鳥の嫌がる光
LED照明装置でムクドリ対策にあたった浜松市の担当者によると、この装置はムクドリの嫌がる光の周波数や照射位置を可変できるもので、街中で使用することを想定して、遠くへ照射しても光は広がらず、周辺の建物や人に迷惑がかからないようになっているという。「企業と連携して開発したもの。人には影響のない、鳥が嫌う光が発せられる。他の対策と共に実施し、効果をあげている」と浜松市の担当者。
一方、多摩市の担当者は「取り組みはムクドリをいじめるものではなく、今回導入した装置は対処療法の1つという考え。人と動物がいかに共生していくことができるかを考えながら、対策を進めていきたいと思う」とする。そして、同じく被害がみられる近隣市や東京都などと防止のための連携を図っていきたいとしている。
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