多摩市は脱炭素社会の早期実現に向けて5月13日、気候市民会議を行った。この会議は地球温暖化の影響による気候変動を抑えるために、市民が中心となって考えるもので、世界各国で行われている。都内での開催は武蔵野市に次ぐ2例目となる。
キックオフに34人
気候市民会議は2019年頃からヨーロッパで広まった市民主体で気候変動対策を議論する取り組み。参加者を無作為抽出で募ることで年齢や性別などのバランスをとり、会場に社会の縮図を作り出すことが特長となっている。
多摩市では、無作為抽出で募った12歳から69歳までの44人で市民会議を始めることになった。第1回目のキックオフ会議となった13日には34人が参加した。「気候変動が進んだ先の、多摩市を考えよう」をテーマとしたキックオフでは、東京大学未来ビジョン研究センター教授で国立環境研究所上級主席研究員の江守正多氏らが講演し、気候変動問題の全体像を共有した。
その後はグループに分かれ、気候変動対策が進んだ先の多摩市をイメージした未来像について話し合い、まとまった内容を発表しあった。対策が進んでいるといわれる多摩市について市民からは「動植物が増えている」「地産地消が進んでいる」「他都市の手本になる」「星空が見えるまち」など明るい意見が相次いだ。市担当者は「熱心な話し合いが盛り上がり、次回につながる1回目になった」と話した。
残り4回は「具体策」
今後は7月29日(土)の最終日まで、脱炭素に向けた具体策や体制づくりなどを話し合っていく。全5回の開催が終わった段階でまとまった報告書が市ホームページに公開される予定だ。
世界中のいたるところで地球温暖化の影響による気候変動が脅威となっているとして、多摩市は市議会と共同し20年6月、他市に先駆けて「多摩市気候非常事態宣言」を行い、温暖化対策に取り組んでいる。宣言では「気候危機が迫っている事実を市民全員と共有し、50年までに二酸化炭素排出ゼロを目指す」ことを目標に掲げており、気候市民会議はその取り組みの一つとして実施している。
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