ロシアの侵攻が続くウクライナから、日本留学に必要な日本語能力試験を受けようと、中高生6人が11月29日、多摩市に到着した。ウクライナ周辺国でも試験が受けられないという現状から、市内の日本語学校が短期渡航プログラムを立ち上げ実現したもの。翌日には、阿部裕行市長を表敬訪問した。
短期間の間に、日本で日本語能力試験を受けてもらう渡航プログラムを立ち上げたのは、市内関戸の日本語学校「東京桜ヶ丘学院」。同学院の内山一郎代表によると、ウクライナで日本語を教えているイリナ・クルテンコさんが、かつて、日本で日本語を習っていた内山代表に自国内の状況を語っていたことから、日本での受験をサポートしようと国内視察や市内小学校児童との交流を兼ねたプログラムを作ったという。
戦火の激しいドニプロ市で日本語を教えているイリナさんは26日、13歳から16歳までの6人の生徒を連れて同市を出発。線路に地雷が仕掛けられているという報道もある中、電車で13時間ほどかけてポーランドにたどり着いたという。そこからワルシャワで飛行機に乗り29日に成田空港に到着した。
翌日、市役所を訪問したイリナさんと生徒らは、阿部市長と面会。初めは硬い表情だった生徒たちも、市長にウクライナの人形などお土産を手渡し、サンリオピューロランドの話題や人気キャラクターのキティの話などをしていくうちに表情もほぐれていった。
生徒らは「将来エンジニアになりたくて、日本に留学したい」「日本のカルチャーが好きで、日本語を学び通訳者になりたい」「オーストリアに進学した後は医者になり、日本の歯科医と新しい仕事がしたい」「ITの仕事をしながら日本に住みたい」など日本語を学ぶ目的や将来の目標などを語った。
阿部市長は「皆さんの日本を思う気持ちは強く受け止めた。試験はリラックスして頑張ってください」とエールを送った。内山代表は「ウクライナで試験が受けられるようになるためにも、まずは戦争が早く終わってほしい。今回はイリナがよく連れてきてくれた」と話していた。
生徒らは多摩第一小学校の児童らとの交流、多摩センターでのクリスマスツリーの点灯式なども視察した。
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