海外から注目される日本式教育の特別活動「TOKKATSU」を視察しようと7月2日、リーナ・アンナーブ駐日ヨルダン大使らが市立貝取小学校(鈴木純一郎校長)を訪問した。大使は児童らによる学級会の進行などを見学した後、給食を食べるなど交流も図っていた。
学級会や日直、掃除などの日本式教育は世界から注目を集めている。エジプトではJICA(独立行政法人国際協力機構)が主導して人材育成支援を行っており、2017年から21年までは学びの質向上のための環境整備プロジェクトを実施、その後は「特別活動」を中心とした日本式教育モデル発展・普及プロジェクトが行われた。JICAによれば、この特別活動は世界各地に広まっているという。
学級会を見学
今回訪問したのは特別活動に興味を持ったヨルダン大使館の関係者。19年から駐日ヨルダン大使を務めるアンナーブ氏をはじめアリ・アラビヤット首席公使、モハメド・アルカディ参事官らが訪れた。
今回視察する学級会について、鈴木校長が「児童が司会を務めディスカッションするもの。教師からの指示は無く、子どもたちが主体となって進める授業。教師は必要に応じてサポートします」と説明した後に大使らが学級会を見学した。
3年生の教室では「教師に感謝の気持ちを伝えよう」をテーマに学級会が行われていた。議論を重ね、次々と出される意見や多数決でアイデアを決める姿を、大使は真剣な表情で見つめ、時には質問をするなど興味深く授業を観察していた。
アンナーブ大使は「当別活動プログラムが年齢が異なる児童たちのリーダーシップスキルと全体的な人格を形成するうえで、重要であることが理解できた」と話した。特に教師が児童の議論に細心の注意を払いながら見守り続けた点をあげ「児童自身の存在が重要であると感じられるだけでなく、すべての意見が考慮される空間を作りだし、全体的な参加意識を高めている」と感想を語った。
給食時に感じたこととして、小学校の給食当番制は忘れられない経験になったという。「児童たちが仲間に配膳している姿は分かち合い、与える精神を育むだけでなく、もてなしの技術を強化する。食事はおいしく食べ応えがあった」と話し、印象的な経験ができたことを強調していた。