市立聖ヶ丘中学校(矢野尚子校長)は7月12日、ナイトパージの検証効果を学ぶ授業を同校で行った。夜の涼しい空気を校内に取り込み温度を下げる実験で、大学の教授らが検証し、効果があることが分かった。
同校では、市内の小中学校が取り組むESD(持続可能な開発のための教育)の一環として、総合的な学習や家庭科の授業で夏の室内環境に着目し、ナイトパージなどを取り入れた学習を行っている。ナイトパージは夜間に涼しい空気を建物内に入れることで温度を低くさせること。
体感温度学ぶ
授業には講師として日本工業大学の成田健一工学博士や工学院大学建築学部まちづくり学科の平山由佳理准教授らが参加した。おもに平山準教授が「人の感じる暑さに影響しているものは何か」「聖ヶ丘の気温は」などをテーマに進行し、自分たちが住むまちの中で暑さ対策を考えてもらうための授業となった。
体感温度は気温や湿度、代謝量、着衣量などで変化することや、緑地に囲まれた同校周辺は東京の北野丸公園に比べ、1〜2℃低いことなどが紹介された。
また、公園の芝生や歩道、学校の1階と4階など、環境が違う8カ所の温度差を生徒に考えてもらうグループワークも実施した。
暑さへの対策を
最後にナイトパージの結果が公表された。実験は校舎の4階で、窓を開放した教室と締め切った教室、外気温(体育館への渡り廊下)の3カ所に測定器を設置し温度を図った。5月29日から6月12日までの期間で実施した。結果は窓を開放することで1〜1・5℃下がることが分かった。
平山準教授は「暑さを避けるためにはどうすればいいか参考にしてほしい。今回は窓を開けて空気を循環させることで効果があることが分かった」と話した。成田工学博士は「みんなが感じる暑さは気温だけでは決まらない。自分が住んでいる家に冷たい空気を作れる場所があるか考えてほしい」と自分で考えることの重要性を呼びかけた。授業を受けた生徒は「気温のことについて話が聞けて楽しかった。自分でも工夫してみようと思う」と話していた。
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