多摩市立中央図書館(渡邊哲也館長)は8月24日、来館者100万人突破記念式典を行った。昨年7月1日に移転新規オープンしてから、約1年2カ月での100万人突破は全国の公立図書館でもトップクラスのスピードだという。100万人目の来館者となった矢部さん親子には花束が贈呈された。
昨年7月に開館
市立中央図書館は、昨年5月に旧西落合中学校跡地を活用した図書館本館が閉館してから、より多摩センター駅に近い、中央公園やレンガ坂に隣接する場所に移転し、昨年7月に開館した。2階建てで、1階は座席数が140席あり、書籍や新聞、専門的な資料が並び、静かな空間で読書や調べものができる従来の図書館に近いフロアになっている。一方、暮らしに身近なテーマの本や児童書を配架している2階の座席数は300席。市民団体向けの活動室やグループ学習ができるスペースのほか、カフェやテラスがあり声を出して「会話をしてもいいフロア」となっている。
昨年7月1日に開館し、初日と2日目には1万人以上が来館した。今年3月までには約71万人が来館し前年同時期(旧図書館本館)と比べ約5倍の人が訪れた。また、新規登録者数は同約11倍と増えた。市は会話ができる新発想図書館として20代以下の利用者が約3倍に増えているとしている。市によると、各自治体にある図書館では正確な来館者数をカウントしていない所もあるが、約1年2カ月での100万人突破は「早いほうだと思います」という。
矢部さん親子に花束
この日、100万人目の来館者となったのは矢部莉瑚さん(諏訪小3年生)で、母親の杏理さんと一緒に来館した。100万人突破を祝うくす玉割りを行った後、莉瑚さんにはお祝いの花束が贈られ、多摩センター親善大使のハローキティがサプライズで祝福に訪れた。莉瑚さんは「いつも中央図書館を利用しています。絵本を読んだり、勉強しています」とあいさつした。100万人目の来場者になり「100万人という数字はすごいなと思う。とても驚いた」と話した。
母親の杏理さんは「いつも明るくて過ごしやすい図書館なので、特に夏休みは利用させていただきましたが、まさか100万人目になるとは思わなかった。これからも利用したい。娘は宿題や本を読むことが好きなんです」と話し、「娘が図書館のことを好きなので図書館ツアーをしてもらいたい」と今後の図書館運営に期待を寄せた。
限定クッキー配布
阿部裕行市長は「100万人の来館という数字は簡単なものではない。単独の図書館として1年たらずでの達成は14万8千人の自治体規模では全国的にも珍しい。これも多摩市民が本を通してご自身の教養の啓発だけではなく、ご家族でこの中央図書館を愛してくださっている証拠。1階と2階での過ごし方の違いで多様な使い方ができているのでは」と話した。
当日は100万人突破を記念して、限定のクッキーが作られ、ハローキティが来館者に配るなど祝福ムードに包まれた。
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