自転車の運転時に、ヘルメットの着用を呼びかける「TAMA CITY RIDERS運動」が現在、多摩市内で広がりをみせている。オリジナルのシールをヘルメットに貼付し、着用している子どもを周りの人たちが褒める―。この取り組みは、今年4月、関戸で産婦人科を営む赤枝朋嘉さん(44)が発起人となって始まった。「小さな取り組みですが、市内から東京、全国に広がっていければ」と呼びかける。
連光寺、新大栗橋交差点で昨年、今年と立て続けに、自転車に乗っていた2人の小学生が車との事故で命を落とす痛ましい事故が発生した。赤枝さんは身近で起きた事故、かつ自身が命に携わる仕事をしていることもあり「ここで生活している我々が大切な命を守るために何かできないか」という思いに駆られたという。
「ヘルメットを着用していると事故時の被害は軽減できる」と警察から聞いた赤枝さん。趣味でトライアスロンに取り組んでいることもあって、ヘルメットの大事さを認識していた。「ヘルメットを被ることはダサイと思われてしまうのでは」。そこで考えたのがシールだった。「トライアスロンではヘルメットはお洒落の一部。シールを貼ったヘルメットを被って自転車に乗ることがカッコいいと思ってもらえれば」。知人にデザインを考案してもらい、地元商店等に協力を呼びかけ、募金箱を設置してもらうなどして2種類のシールを約1000枚制作した。
出来上がったシールは多摩第一小学校で全児童に配った他、現在、地元の協力店舗でも配布している。同校の棚橋乾校長は「今では児童の8割がヘルメットを持っている。そのほとんどの子どもがシールを貼っている」とその効果を話す。
運動はシールの配布、貼付だけではない。「子どもは褒められると嬉しい。シールを貼ったヘルメットを被っている子どもがいたらぜひ褒めてあげてほしい」と赤枝さんは大人たちにも協力を呼びかける。
市教委有志で寄付
この運動を知った市教育委員会は職員有志で寄付を募り、清水哲也教育長が7月14日に赤枝医院を訪問。寄付金6万2千円を赤枝さんに手渡した。
赤枝さんは「運動が浸透していくには10年、20年かかるかもしれないが、ヘルメット着用が当たり前になるように継続していきたい。多摩の未来を担う子どもたちの命を守り、子どもたちが親になったときに次の世代に引き継いでもらえれば」と話す。今後、運動を広げていくために自転車販売店、商店、施設等に協力を呼びかけ、シールの配布、シールをのぼりやポスター等にして街中に掲示することを検討しているという。「市内から、東京、全国へと広がっていければ」と意欲をみせた。
募金箱設置店、シール配布店等はフェイスブック「TAMA CITY RIDERS」で確認を。
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