「多摩ニュータウン愛宕団地」で昨年12月18日から、京王電鉄(株)によるスーパーの移動販売が始まった。都営団地内でのスーパーの移動販売は都内でも初。地元の自治会からの要望を受けて、多摩市と東京都、同社が連携して実現した今回の移動販売。運用開始から1カ月が経過し、住民からも好評を博している。
同団地は、多摩センター駅や永山駅など、最寄駅まで距離があり、住民の多くはバスなどを利用する機会が多い。加えて、高齢化も進み、普段の買物に不便をきたしていたことから、同団地の3自治会から市へ移動販売に関する要望があったという。
それを受けて多摩市は東京都に相談し、「都営住宅における買物弱者支援事業に関する覚書」を都と締結。2013年に「地域発展の進展に関する包括連携協定」を結び、移動販売の実績がある京王電鉄と連携して、「日常生活の利便性向上」「コミュニティの活性化」を目的とした都営団地初の移動販売を始めることとなった。
同社では、これまで多摩ニュータウンエリアを中心に、公園やUR都市住宅機構の管理地、大学等で2tトラックを利用して1日4カ所前後で移動販売を実施。昨年11月には、同トラックで進入することができない区域内でのサービスの提供を目的に軽自動車を導入。愛宕団地内も2tトラックでは進入できなかったが、この軽自動車が導入されたことで実現に至った。
「来てくれて助かる」
移動販売は、12月18日から毎週月・水・金曜の午前10時40分から11時10分まで実施されている。扱っているのは生鮮食品から日用品まで250品目で、同社が運営する京王ストアの特売品なども販売。欲しい商品がなければ、次の販売日に持ってきてくれる。移動販売が始まって1カ月が経過し、毎回20人〜30人が利用しているという。
1月19日の販売日にも、軽自動車から移動販売のアナウンスを聞いた地域住民が続々と集まり、買物を楽しんでいた。70代と80代の女性は「いつもバスに乗って多摩センターなどに買物に行っていたので助かる」「ないものも持ってきてくれるので親切。トイレットペーパーなど、かさばるものもあるので助かっている」と話していた。
京王電鉄では「多くの方に喜んでいただけて嬉しい。利用される方がここに来てお互いに声を掛けあうことで元気になり、地域コミュニティの活性化にもつながる。調整中のエリアが他にもあるので地域ニーズに応え提供場所を増やしていきたい」と意欲を見せている。
多摩版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|