市内豊ヶ丘にある「乞田八幡神社」で9月8日、神輿70周年記念式典・祝賀会が盛大に開催された。
同神社は、應神天皇を御祭神とし、延徳2年9月(1490年)に創建されたとされる。社殿は、天和2年(1668年)に創建され、江戸時代、乞田村・貝取村の鎮守社だったという。多摩ニュータウンの開発によって、住所は現在の豊ヶ丘に変更された。
同神社には現在、安政3年(1856年)、明治14年(1881年)に作られた太鼓が現存している。今回主役となった神輿は、昭和23年9月15日に完成された。
先の戦争が終わってからまだ間もなく、食糧も物資も少ない時代。これから平和に向かって進む中で、そのシンボルにと神輿の建造計画が持ち上がった。財源もなく反対意見があったものの、当時の氏子を中心に、神社の北側にあった大杉を処分して財源にあて、神輿が作られたという。
そうして完成した神輿は村の祭礼などで地域住民の間で担がれ、地域のシンボルとして愛されてきた。誕生から傷みも出てきたことから修復を行うにあたり、節目の年を迎えたことを記念して今回式典を開催することになった。
「いつまでも大切に」
当日は、氏子や神輿会の青友会、囃子連ら関係者をはじめ、数多くの来賓が参列する中、厳かに式典が行われた。冒頭、氏子総総代の小礒廣仲氏が挨拶。「物がない時代に大変な思いをして神輿を作った。この神輿には八幡神社の大杉の御霊が入っているので大事にしてもらいたい。いつまでも大切にかわいがってほしい」と話した。
その後、禰宜の黒木宣寿氏によって祝詞があげられ、出席者で玉串の奉奠、記念撮影が行われた。式典終了後には、境内で祝賀会も催され、神輿の70周年を祝った。
今年3月から式典に向け準備を進めてきた実行委員会の増田匠氏は「多くの方に参列いただき感謝したい。大変な思いでできた神輿も70年を迎えることができた。これから10カ月かけて修理に入るので、来年の祭礼では新しい神輿が披露できる。ぜひ見に来てほしい」と話していた。
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