多摩市ではこのほど、市内の保育園、幼稚園、小学校が連携して、来年4月に入学する子どもとその保護者に向けた小冊子「わくわく入学準備BOOK『かがやけ!たまっ子1年生』」を初めて製作。現在対象となる家庭に就学時検診で配布を行っている。市教育センターでは「就学に向けた不安が軽減し、希望をもって入学式が迎えられる一助になれば」と話している。
市と市教委では、2016年度から保育園・幼稚園等の就学前教育と小学校教育への円滑な接続を目的に、市内の保育園、幼稚園等と、市立小学校との連携を進めている。これまでに、保・幼・小が連携して、小学校入学後に無理なく学校生活が送れるようソーシャルスキルトレーニングを行う「多摩市たまっこ5歳児かがやきプログラム」を作成し実践する取り組みを行う他、シンポジウムを開き、意見交換を行うなどの連携を行ってきた。
今回の小冊子作成も、そうした連携による「顔の見える関係づくり」の中で実現した。
保護者の声をもとに作成
「来春の入学に向けてどんな準備が必要か」「入学までにどれだけ読み書きができればいいのか」。入学を迎える保護者の間でそうした悩みが多く聞かれるという。
そうした心配事や悩みなどに応え、安心して入学を迎えられるようにと作成されたのが今回の小冊子だ。事前に、市内の保育園・幼稚園に在籍する全年長児の保護者約1200人にアンケートを実施。そのうち約800人から寄せられた回答の中から、入学に向けての心配事や不安などを分析し、保育園や幼稚園の担任と小学校の教員が連携して文面を検討。子どもたちの発達に詳しい市内の島田療育センターの監修のもと製作された。
具体的には「入学準備のアドバイス」「入学までのスケジュール」「入学に向けて大切にしたい6つのこと」「自分を守る6つの約束」「入学の不安解消Q&A」「小学1年生の1日&1年間の学校行事」などが全14ページにわたって掲載されている。この小冊子は現在、各小学校で実施している就学時健診で配られている。
市教育センターでは「就学に向けての不安や心配を軽減し、入学後に集団生活になじめない状況となる『小1問題』の減少につながれば」と期待を寄せる。重ねて、同センターでは「作成にあたり、保・幼・小の連携ができた成果。今後もこうした連携を続けていくことで、安心して子育てできる環境を作っていきたい」と話し、「小冊子は、見送る側の保育園・幼稚園等と、お迎えする側の小学校によるメッセージになっている。入学に向けて、不安を軽減し希望を持って4月の入学式に臨める一助になってほしい」と話している。
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