神奈川中央交通(株)(神奈川県平塚市)とSBドライブ(株)(港区)は2月13日から、豊ヶ丘・貝取地区で自動運転バスのサービス実証実験を開始した。同実験は、東京都の支援を受けて、自動運転技術の実用化を目指して実施。都内の住宅地でバスを使って実施するのは今回が初。両社は「今回の実験を踏まえて今後の実用化に向けて、社会課題の解決に取り組んでいきたい」と話している。
今回、自動運転バスの実証実験が行われているのは、豊ヶ丘四丁目バス停から図書館バス停、第八公園バス停を経由して、スーパー三徳貝取店までを結ぶ約1・4Kmの区間。午前9時30分〜午後4時の間で30分に1便程度運行しており、一般市民も無料で乗車ができる(8人乗り、先着順)。期間は22日(金)まで。
この実証実験は、東京都が今年度から開始した支援事業「自動運転技術を活用したビジネスモデル構築に関するプロジェクト」に選定され、国と都が共同で設置した「東京自動走行ワンストップセンター」の支援を受けて行われているもの。
実験の目的は、高齢化が進む多摩ニュータウンの団地と商業施設を結ぶ区間で、住民の移動手段として自動運転バスが受け入れられるかなどのニーズを探ること。また、AI(人工知能)の技術を活用した車内の安全対策や、車内に設置したディスプレイでの店舗情報などの発信についての検証を行うこと。
両社は昨夏、慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス内で走行実験を実施しており、今回、住宅地でバスを使って実験を行うのは都内で初だという。
今回の自動運転バスは、事前に運転手が走行したルートをGPSでマッピングし、街路樹等でGPSが受信できない場所などは、事前に道路に埋め込んだ磁気マーカーによって補完して走行する仕組み。速度は時速20Km程度で、車体前についたレーダーなどで障害物等を感知し、減速して停車。発進については乗車している運転手が担い、車内の様子などは遠隔で監視した状態で行われている。
「まだまだ課題も」
実施に先立ち、12日には関係者の試乗会が行われ、猪熊純子副知事、阿部裕行多摩市長らが乗車した。猪熊副知事は「スムーズで細い道でアップダウンのある所も安心して乗ることができた。人が立ち上がったら、注意が自動的に入るとか安全に運転できるという印象だった」と感想を話した。阿部市長は「自動運転を支えている仕組み、GPSを含めてこれから先、普及させていくにはまだまだ課題はあると感じる一方で、乗り越えられるということも実感もした」と話した。
13日から始まった実験で乗車した男性は「安全運転ではあるが、この速度だと渋滞しそう。コストパフォーマンスの部分が気になる」と話し、別の男性は「走行がぎこちないのではと思っていたけど滑らかだった。事故の時などの対応が気になる」と話していた。
今回実験を行った神奈中は「実用化の目途はまだまだ先。法律やコスト、技術的な課題もある。今回の実験を踏まえて、今後の実用化に向けて社会課題の解決に取り組んでいきたい」と話していた。
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