多摩、日野両市にまたがる百草団地内のスーパーマーケットが6月末に撤退し、住民らが困惑している。7月からは臨時の対策として食品などを積んだ移動販売車が停車するようになったものの、団地住民の高齢化が進むなか、買物弱者の発生を危惧する声も聞かれる。
団地を管理するUR都市機構によると、百草団地の管理戸数は2028戸で、多摩側が1010戸、残りの1018戸が日野に位置するという。閉店したスーパーは団地への入居が始まった1969年から営業を開始し、食品や日用品などを手に入れられる場所として住民らに重宝されてきた。
5月に
住民らに閉店の知らせが発表されたのは今年5月。店頭に閉店の知らせが張り出され、「困惑する住民が少なくなく、大変な問題だと受け止めた」と団地に住む多摩市議会議員は話す。
住民らの高齢化が進み、起伏の激しい土地柄、歩いて遠方へと買物にいくのが困難な人が多く、「身近なスーパーが無くなり、買物が思うようにできなくなる人が増えていく恐れがあった」と同市議は振り返る。
販売車が停車へ
そんな状況のなか、URは多摩ニュータウンエリアへ移動販売車を走らせている京王電鉄(関戸)に打診。百草団地にも停車してもらえるように依頼し、元々、URと連携協定を締結していた京王電鉄は二つ返事でそれを受け、今月から週2回、販売車を百草団地にも停車させるようにした。
百草団地の多摩側に住む住民らで構成される「多摩市百草団地自治会」の住安隼夫会長は「身近に買物できるところができたのはありがたいこと。既に多くの方が利用しているよう」と笑顔をみせ、「現在は日野側に停車しているが、いずれ多摩側にも停車してくれるようになってくれれば」と期待を口にする。
後継テナントを誘致
後継テナントが決まるまで移動販売車を走らせる予定とする京王電鉄に対し、URの担当者は「速やかに新しく入居してもらえるスーパーを誘致していきたい」と回答する。
先の市議は「今回の件では日野側の住民に比べ、多摩側へ十分に情報が伝わらなかった面があるようだ。情報格差解消のため、関係各所に声をかけていきたい」と話している。
多摩版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|