多摩センターエリアの拠点の1つとなってきた京王プラザホテル多摩(落合)が15日、閉館した。建物の老朽化に加え、コロナの影響によって稼働率が低下したことなどが要因となった。同エリア周辺には閉館を惜しむ声が広がる。
最終日となった15日には同ホテル前で閉館セレモニーが開かれた。阿部裕行・多摩市長が駆けつけ、閉館を惜しむ多くの地域住民が集まった。
同ホテルの阿部亮一総支配人は本紙の取材に、「閉館を発表して以来、地域の皆さまから温かいメッセージをいただくなど、当ホテルが愛され、支えられてきたことを実感した。長きに渡り、ご愛顧いただき、感謝申し上げる」と話した。
90年にオープン
同ホテルは1990年4月に開業。ビジネス・観光客を受け入れ、多摩市や近くの屋内型テーマパーク「サンリオピューロランド」などと組んだ企画を実施するなど、街の集客に貢献してきた。
しかし、近年は開業から30年が過ぎ、建物の老朽化が目立つようになり、対策が必要となるなか、コロナの感染が拡大。稼働率は急減に低下し、同ホテルを管理する株式会社京王プラザホテル(新宿区)が2021年12月に営業継続を断念することを発表していた。
同ホテルを拠点としていた東京多摩グリーンロータリークラブの堤香苗会長は「当初からの拠点が無くなってしまうのはとても寂しい」と話し、地域からは、「地域のシンボルとして無くてはならないホテルだった。本当に残念なこと」、「寂しいが、素敵な思い出をありがとうと伝えたい」などの声が寄せられた。
テナントは継続
今後について同社は八王子市の京王プラザホテル八王子に営業を集約していくとし、京プラ多摩内の一部テナントは当面、営業を続けていくという。
一方で、京プラ多摩の跡地に関して京王電鉄株式会社(関戸)の担当者は「現時点では未定」とし、ロータリークラブの堤会長は「跡地は企業や学生、シニアなど、誰もが主役になれる場所になってもらいたいという思いがある」と期待を口にする。
多摩センターエリアの拠点の1つが無くなり、街の活気減少につながる恐れがあるが、30を超える地域の再生を果たし現在、愛宕地区で取り組みを進める一般社団法人コミュニティネットワーク協会の高橋英與さんは「多摩センターエリアの活気づくりには周辺の多摩ニュータウン団地の再生が鍵になると考えている。若者と高齢者の連携が大きなキーワードになる」と話している。
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