心身に重度の障害がある人のための通所支援施設「+laugh(アンドラフ)」(市内諏訪)がこのほど、グッドデザイン賞2023を受賞した。一般社団法人「Life is」の影近卓大理事長が諏訪名店街内に構えた施設で、アンドラフに通う重症児者が地域に自然と溶け込んで過ごしている場を生み出した点などが評価された。
グッドデザイン賞は、デザイン関連分野の第一人者で構成される審査委員会によって選定される。デザインに可能性を見出す人々を支援し、デザインが生かされる領域などを広げ、創造的に生きられる社会を目指しており、デザインの優劣を競うだけではなく、ユーザーの視点に基づいた使いやすさ、開発コンセプト、新技術の採用など総合的な評価により選定される。
アンドラフは心身に重い障害を抱え、日常的に医療的ケアが必要な未就学児などが通う児童発達支援と生活介護事業所からなる。1階は重症児者が運営する駄菓子屋になっており、2階には地域の人たちが自由に利用できるスペースがある。
影近代表によると、重症児者の通う場所に駄菓子屋やフリースペースなど地域と関わることのできる場を併設することで、「特定の人のため」となりやすい場所を「地域で暮らす全ての人のため」の場へと発想を転換することで、過ごす人たちが対等な市民としてつながりを持てる場を作ったという。
審査委員からは「アンドラフは重度障害者との間に引かれがちな境界をあいまいにしている」「駄菓子屋という形で日常から様々な立場の人たちが交わることで意識の境界を取り外そうとする試みだ」などといった評価があった。
影近代表は「重症児者と共に日常生活の景色を多様にするという、決して特別な体験機会を提供しているわけではない取り組みが評価され、多くの方に届く形になったことが大変ありがたい。これを機にもっと多くの人に足を運んでいただける場になるとうれしい」と喜びを表した。
多摩版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|