八王子市緑町にある多摩少年院(池田一院長)で1月12日、在院中のため自治体の式典に参加できない生徒のための「二十歳を祝う会」が開かれた。二十歳の生徒たちは再出発を誓い、保護者からの愛情のこもったメッセージに涙ぐむ姿もあった。
二十歳を迎えた生徒は15人。背筋を伸ばし、胸に花を飾ったスーツ姿で入場すると会場から拍手で迎えられた。式典には生徒の家族や児童養護施設の職員ら保護者と同院職員、来賓として市や更生保護の協力団体などが出席。式辞で池田院長は「皆さんにはそれぞれの生い立ちがあることは理解しているが、非行に手を染め、被害者や周囲の人を深く傷つけた。二十歳を機に自分が存在する奇跡に感謝し、生涯にわたり世の中に必要とされる人になってください」と呼びかけた。
「人生の節目を少年院で迎えたことの意味をしっかりと考え、真っ当に働き、真っ直ぐに生きたい」「親孝行どころか迷惑ばかりかけてきた。二十歳を迎えた今、今度は自分が家族を支えたい」。保護者席に向かい、生徒たちが一人ひとり自身の言葉で決意を述べると、ハンカチで目頭を押さえる人も。また、「支えてくれる人たちに感謝して、今度はあなたが手を差し伸べる側になって」「あなたのことを信じている。これから一緒に前に進みましょう」「私の子どもに生まれてきてくれて、ありがとう」など保護者からのメッセージに、直立し神妙な面持ちで聞いていた生徒も目を潤ませた。
同院は家庭裁判所から保護処分として送致された関東近県の16歳5カ月以上の男子らを収容し、更生と社会復帰を目的とした施設。定員174人に対し、同日時点で98人を収容している。
多摩版のローカルニュース最新6件
かえで館まつり9月17日 |
|
|
|
|
|