桜美林大学の多摩キャンパス(多摩市落合)に通う学生らが自作した人力飛行機の飛行距離を競う「鳥人間コンテスト」に7月、初めて挑む。航空関係の学群に所属する学生たちのサークル。専門知識を生かし、「1メートルでも遠くに飛びたい」と意気込んでいる。
飛行距離を競う7月28日(日)に行われる「滑空機部門」に向け、準備を進めているのが、サークル「シエル」。パイロットや飛行機の整備士などを目指す学生らで構成され、鳥人間コンテストを目指し3年前に設立。「鳥人間」の常連チームなどから人力飛行機製作のための情報を集め、予算の捻出に取り組むなどしながら、コンテスト出場に向け準備を重ねてきた。
そして、今年初めて申し込むと高い倍率のなか、出場が決定。18人の学生が所属するシエルの代表を務める梶原遼平さんは「うれしい。出場が決まり、クラウドファンディングを活用して費用を集めるなど、多くの方に支援してもらっている。がんばりたい」と意気込む。
「100m超えを」
シエルが目標にするのが、100mを超える飛行だ。気象状況など、条件が異なるが、昨年のコンテストであれば、16チーム中9位相当になる記録で、「過去には500m以上飛行したチームもあるが、100mを1つの目標にしたい。笑顔で着水したい」とパイロットを予定する真島大輝さん。飛行機の設計などに詳しい大学の専門家などからアドバイスをもらいながら進めている自力飛行機の完成度は5月下旬時点で50%程度といい、「他チームはうちの倍以上の数のメンバーで製作に取り組んでいる。人手不足は否めないが、みんなで力を合わせて完成へと近づけていきたい」と梶原さんは話し、「航空に関わるものとして、綺麗に着水することも目標の1つです」と笑顔になる。
先輩の思いも
そんなシエルの力となっているのが4年生の存在。鳥人間を目指し、サークルを立ち上げたメンバーらで現在は就職活動などのため、一歩離れた形でチームに加わるが、梶原さんたちはコンテスト出場への道を築いてきてくれた先輩たちの思いをもって1mでも遠くへ飛びたいと考えている。
そんな後輩たちを見守るサークル創設時の代表である疋田竜堂さんは「5人で立ち上げたサークル。引き継いでくれてうれしい。頼りになる後輩たちです」と自力飛行機の製作を進める梶原さんたちを見つめる。
桜美林大学の広報課担当者は「鳥人間の会場となる滋賀県の琵琶湖は大学の設立者である清水安三の生誕の地に近い。縁を感じる。期待したい」と話している。
46回目
46回目となる今年の鳥人間は7月27日(土)に人力プロペラ機部門もあり、テレビ放送が予定されている。詳細は「鳥人間コンテスト2024」のホームページなどを参照のうえ。
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