紙が素材の手作り甲冑(かっちゅう) 高座渋谷で18領を展示
高座渋谷手作り甲冑隊(大津嘉久会長、24人)が10日から15日まで、小田急線高座渋谷駅前の複合ビル・IKOZAの1Fギャラリーで会員が制作した甲冑作品の展示会を開いた。
同会が年に一度、新作などを披露しているもので、会場には鎌倉時代の武将や下級武士が身に着けたものを再現した、ボール紙からできた色とりどりの甲冑18領が並んだ。会員が柿渋で3度重ね塗りをしていく工程などを説明すると、来場者らは顔を近づけ興味深く見入っていた。偶然会場を訪れたという60代の主婦は「色がとても鮮やか。みんな手作りだと聞いて驚きました」と感想を話していた。
手作り甲冑隊は、渋谷(南部地区)土地区画整理事業等がきっかけになり2012年に設立した。事業に関連したワークショップで駅の「西側が花、東側が歴史」が街づくりのテーマになったため、高座渋谷商店会の街づくり部会が鎌倉時代にこの地を本拠地とした渋谷重国(しぶやしげくに、平安末期―鎌倉初期)にちなんで、手作り甲冑の教室を始め、教室のOBらが中心になり手作り甲冑隊を組織した。
街づくり部会は最初に手作り甲冑で有名な小田原甲冑隊で作り方の指導を受けたという。大和の時代背景は鎌倉時代だが、小田原は北条五代を想定している戦国時代。「重国が活躍した時代の甲冑を作りたい」と小田原の指導者に依頼し、時代考証を経ていくなかで「大和モデル」甲冑が生まれた。甲冑隊の隊員らは大和市民まつりなどのイベントにも参加し、郷土が誇る歴史的な武将・渋谷重国を紹介し、手作り甲冑隊のPRに努めている。同会では鎌倉や愛甲石田などの他市の手作り甲冑隊とも交流を深め、今年はじめて鎌倉まつりのパレードに参加するなど積極的に市内外で活動している。
大津会長は「多くの方に郷土の歴史を知ってもらいたい」と熱く説明する。第1回卒業生で甲冑教室の講師も務める副会長の石野忠さんは「ぜひ若い方にも参加してもらいたい」と話す。次回の手作り甲冑教室は9月23日から6か月間。費用は材料費のみ29000円。問合せは大津さん【電話】046・267・1040。
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