県タイル築炉技能士会(中島良治会長・下鶴間在住)が、技能の振興に永年の貢献があったとして今年度の職業能力開発関係厚生労働大臣表彰を受け、11月15日に表彰式が行われた。
この表彰は、職業能力開発の推進を図るため、「人材開発促進月間」に当たる11月に職業訓練、技能検定、技能振興に関して顕著な貢献があった事業所などを対象に毎年実施されているもの。タイル貼りの国家資格を持つ県内の技能士からなる同会は、子ども向けのものづくり体験教室や職業体験、技能コンクールに積極的に取り組んできたことが評価され、今回の表彰となった。中島会長は「技能振興での団体表彰は全国で2団体しかなかったので、とても誇らしく嬉しい」と賞状を手に喜びを話す。
タイル職人の高齢化が進む一方で、タイル職人を志望する若者が減少している現状に危機感を持っているという中島会長。同会ではタイル貼りの魅力を伝えるため、ものづくり教室では色とりどりのタイルを使ったコースター作りを行ったり、大きな板に好きなタイルを貼ってもらったりして子どもたちにタイル貼りを体験してもらう。また、職人がタイルを使って制作したキャラクターのモザイクアートの展示も行っている。
イベント内容の企画や運営は、会員が日々の業務をこなしながら全て準備する必要がある。中島会長は「準備は負担にはなるが、何より若者の育成が第一のテーマ。今後もタイルに興味を持ってもらえる若者を一人でも多く増やし、育てるために頑張っていきたい」と抱負を述べた。