「境川クラブ」の会長(代表マネージャー)を務める 上田 博久さん 上和田在住 83歳
硬軟取り混ぜたアイデアマン
○…「立ち上げの発想が違うの。老人クラブだけどまちづくりだよ」。発足当時、そう言って地域の皆に参加を求めた。会員同士の懇親はもちろん、自治会や子供会と積極的に交流し、様々な行事を企画、運営する。原動力は「この街に住んで良かった、と思ってもらうため」様々なアイデアを出す。「遊んでなんていられないよ」と嬉しそうに笑った。
○…「高齢になればなるほど単身では生きられない。サポーターが居ないと」と地域の担い手となる若手を巻き込み、参加を呼びかけた。「行事の開催も会を長く続けていくための秘訣」と考える。「地域から愛され、頼られるクラブ」が目標だ。
○…横浜市鶴見区の生まれ。戦時中、両親と離れ実父の故郷の福井に単身疎開した経験を持つ。「寂しかったよ」とポツリ。戦後「焼け野原だった」川崎市に移り住み、臨時職員を経て川崎市役所に採用された。公営墓地が不足していた時代、墓地管理事務所の業務係長として公開抽選を実施したアイデアマン。「まだ”視える化”何て言葉のない時代だからね」と懐かしそうに話す。現場での苦労や物の見方・考え方が評価され、宮前区長まで務めあげた。
○…趣味は音楽鑑賞。きっかけは中学の時。先生が「N響」の青少年音楽祭に連れて行ってくれ、クラシック音楽に「はまった」。以来、学生時代は音楽サークルに、就職後は労音に入りコンサートにも数多く出かけた。30年ほど前、中央林間に居を構えたが「飛行機がひっきりなしで、音楽どころじゃないんだよ」と苦笑い。静かなところを求めて、今の住まいに落ち着いた。自宅にはプレイヤー、アンプ、チューナー、スピーカーなど自慢のステレオセットが鎮座する。本を片手に音楽を聞くのが至福の時だ。