厚木基地の空母艦載機部隊の岩国飛行場への移駐が、今年の3月30日に全て完了してから約3カ月が経った7月4日、防衛省と、神奈川県、大和市を含む基地周辺9市による協議会が、横浜市の県庁で開催され、同省から移駐完了後の状況や今後の基地の運用方針などが示された。それによると、基地周辺での騒音発生回数は移駐前の前年同時期に比べ、8割から9割程度減ったという。
厚木基地などを担当する防衛省南関東防衛局と、神奈川県、基地周辺の大和市、綾瀬市、座間市、海老名市、横浜市、相模原市、藤沢市、茅ケ崎市、東京都町田市の9市による基地協議会は定期的に行われており、今回が8回目。3月末の移駐完了後では初開催となる。
8、9割減少
協議会では同省が、移駐完了後となる4、5月の騒音状況について説明した。
国が設置している騒音測定装置でのデータでは、電車通過時のガード下の騒音と同じ程度となる100デシベル以上となったのは、基地北部の大和市内の測定で28回、基地南部の綾瀬市内でも28回。前年同時期では、大和市内で244回、綾瀬市内では164回となっており、それぞれ8割から9割程度減少という結果になった。
艦載機、厚木寄らず
空母艦載機の今後については国から、訓練は硫黄島や九州沖で行うことや、空母入出港時は厚木基地を経由せず空母と岩国基地の間を直接移動すること、整備のほとんどは岩国基地と米本国で実施されることなどが説明された。
また、厚木基地の運用については、米海軍のヘリコプター部隊などが基地や格納庫などを引き続き使用するほか、空母艦載機に関しては通常、岩国基地を拠点に運用されるが、訓練や給油などのために飛来することがあり得るとしている。
「しっかり見極める」
今回の説明を受けて、大和市の大木哲市長は「移駐後も空母艦載機の厚木基地への飛来がみられるが、今後、新たな市民負担の増加はあってはならず、この移駐が市民負担の軽減に確実に結び付くものとなるか、今後の状況や影響をしっかりと見極めていく」とのコメントを発表した