文化創造拠点シリウスでは、11月3日に開館2周年記念公演「宙(そら)〜紡ぐ言の葉〜」を上演する。宇宙や星をテーマに市民から集めた言葉をもとに小川糸さんが書き下ろした物語を、朗読と合唱で綴る作品。朗読で出演するアーティスト・篠原ともえさんに、意気込みと宇宙に対する思いを聞いた。
「宙(そら)ガール」シリウスへ
東名高速を走っているときに「日本一の図書館の街 大和市」の横断幕を見て気になっていたという篠原さん。今回オファーを受け「市民で作品をゼロから『紡ぐ』というのが面白いと思いました。皆さんの生きた経験で創った物語なので、上手く届けられたら」と意気込む。衣装デザイナーでもある篠原さんが物語を読んで選んだ、今回初めて着用するオリジナルデザインの衣装も見どころだ。
篠原さんはプラネタリウムで星空解説を開催するなど「宙(そら)ガール」としても活躍している。興味を持つきっかけは、7歳の頃、母の故郷・青ヶ島で星を見たこと。「望遠鏡で見ると星が色を持っていて魅せられました。シリウスも白色の中に虹のスペクトルが見えたのです」と目を輝かせる。物語の主人公と同じ9歳の頃は、図書館で借りた藤井旭さんの図鑑を見ては、夜空を眺める少女だったという。
星は「友達」
物語の主人公は母親からの告白が原因で家を飛び出し、孤独な中で見上げた星を「味方」と感じる。実は篠原さんも子どもの頃、同様の感情を抱く体験があった。「唯一の味方と思っていた母とけんかをし、1人で星を見ていたことがあります。星は感情と裏腹に元気に光るので、『なぜ気持ちを分かってくれないの』と思ったのですが、じっと見ていると慰められていました」。現在も天体観測は生活の一部で、星は友達のような存在だという。
岡山県美星町など、全国各地の星を愛する地域に足を運ぶ篠原さん。「シリウス」「ポラリス」など星の名を冠する施設が多く誕生した大和でも、星への関心が高まると嬉しいと話す。「これまで私は星に助けられ、インスピレーションをもらいました。この舞台は星に恩返しをする気持ちで出演したい。また公演を通し、大和の皆様にも夜空を見上げ、星を見る機会が多くなれば嬉しいです」
11月3日15時開演。全席指定1500円(学生千円)。(問)やまと芸術文化ホールチケットデスク【電話】046・263・3806(9時〜20時)
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