政府は「令和」初となる2019年春の叙勲受章者4225人を5月21日付で発表した。市内からは、元大和商工会議所会頭の山崎貞雄さん(75)ら3人が選ばれた。※年齢は受章時
山崎さんは2010年から2013年まで大和商工会議所第7代会頭を務め、産業振興の功労者として旭日双光章を受章した。受章の報を受け「令和初の叙勲で嬉しい。支えてくれた皆様に感謝したい」と目を細めた。
山崎さんは1943年熊本県八代市生まれ。貧しくも黙々と働く豆腐職人の父の姿に憧れ、高校卒業後に豆腐作りの勉強のため農林省(現・農林水産省)食料研究所へ研修生として入所。大豆の研究に精を出し、並行して東京理科大学の夜間部で化学を学んだ。
大学卒業後は紀文食品の研究所に入社。創業者から直接、商品開発の極意を学んだという。「新たな事に積極的に挑戦させてくれた。研究だけでなく経営にも多くの学びがあり、その後の人生の大きな力になった」と話す。1984年、妻の地元である大和で冷凍食品を製造販売する株式会社ニッコーを創業。失敗も多い黎明期を支えたのは妻だった。「NHK連続テレビ小説『まんぷく』は、私たちを見ているようでした。妻は会社のために4トン車も運転したんですよ」と微笑む。
「利他の精神」で
「利他の精神で、地域全体をよくしたい」との考えから、商工会議所の活動にも積極的に取り組んだ。現在でも、大和食品衛生協会の会長や、早朝大和駅前を清掃する「大和掃除に学ぶ会」の代表世話人を務めるなど地域への思いは強い。
市内では他に、旭日単光章に元大和市公平委員会委員長の茅根勉さん(83)、瑞宝双光章に林間小などで校長を務めた藤井克憲さん(76)が選ばれた。