環境省は11日、有機フッ素化合物のペルフルオロオクタンスルホン酸(以下、PFOS)とペルフルオロオクタン酸(以下、PFOA)に関する水質調査の結果を発表。大和市内を流れる引地川で、国が示す暫定的な目標値の4倍超を検出したことが明らかとなった。
調査は昨年度、泡消火剤を保有・使用する施設や有機フッ素化合物の製造・使用の実績がある施設など、PFOS、PFOAの排出源となりうる施設周辺の河川や地下水、湧水など全国171地点で実施された。引地川は、大和市内の2か所(福田一号橋地点、山王橋地点)と藤沢市内の4か所で調査が行われ、福田一号橋地点が、213・3ナノグラム/㍑、山王橋地点が、248・5ナノグラム/㍑と、国が示す暫定的な目標値(PFOSとPFOAの合算値50ナノグラム/㍑)を大きく上回った。
有機フッ素化合物は、水や油をはじく性質があり、焦げ付かないフライパンや半導体、泡消火剤などに使用されている。自然界で分解されにくく「フォーエバーケミカル」とも呼ばれ、環境への蓄積性や発がん性があることなども判っている。
大和市はこれまで、水質汚濁防止法に基づく河川の水質調査を実施しているが、有機フッ素化合物については、環境基準が定められていないことなどを理由に測定していない。また厚木基地でPFOS、PFOAを含む泡消火剤を使用していないことや引地川の水は飲用として利用していない事などから、基地周辺での水質実態調査を行う予定はない、と議会でも答弁している。
今後は有機フッ素化合物が要監視項目に追加されたことなどから神奈川県や藤沢市と連携し調査を継続するという。
大和市議会は、昨年5月の残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約締約国会議で、廃絶すべき対象物質にPFOA及び関連物質が新たに加わったことを受け、有機フッ素化合物の安全基準値の設定を求め、首相や環境相など宛に意見書を提出していた。
なお環境省の調査では引地川の2地点の他、13都府県37地点で国の暫定目標値を超過した。いずれも飲用用途ではない。
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