来年9月に開幕するサッカー女子プロリーグ「WEリーグ(一般社団法人日本女子プロサッカーリーグ)」の初年度参加の11チームが15日発表され、参加申請をしていた大和シルフィードの初年度参入は見送られた。
大和なでしこS席数満たせず
WEリーグの初年度参加には、シルフィードを含む17団体が申請していた。参加には、プロ契約選手の人数やスタジアムの規模などに加え、「役職員の50%以上が女性」など独自の基準などを基に選考がなされた。
シルフィードは、WEリーグ参入基準を満たすため、10月1日に大和シルフィード株式会社を設立。プロ化推進対策室室長の大多和亮介氏を社長に据えたが、基準の一つである「5千席の個席を備えたホームスタジアム」の基準をクリアできなかったことなどから初年度からの参加はならなかった。
新会社の会長でNPO法人大和シルフィード・スポーツクラブの加藤貞行理事長は、WEリーグ参入に向けた活動に対する支援や協力について謝辞を述べたが、「残念」と肩を落とした。プロリーグ参入を呼び水に、「大和出身の選手を呼び戻したり、ビッグスポンサーを獲得したり」と青写真を描いていたが、叶わなかった。次年度以降の参入については「準備を進めていく」と前を向いた。一方で、要件クリアのための課題の一つであるスタジアムについては「引き続き改善の可能性を模索していく」と協力を求めた。
一部昇格可能性選手流出懸念も
初年度からのWEリーグ参加チームは、上表の11チーム。なでしこリーグ1部から7チーム、2部から2チームが参加。Jリーグのサンフレッチェ広島は、新たに女子チームを発足、大宮アルディージャは、なでしこリーグ2部の十文字VENTUSを母体にチームを発足して参戦する。当面は下部リーグへの降格は実施しない。
プロリーグ創設で、現在のなでしこリーグは、アマチュアリーグとして、女子リーグの中で厳格に一線引かれることになる。なでしこリーグは現在、1部、2部に各10チーム、チャレンジリーグにが12チームが所属する。このうち大宮アルディージャを含む10チームがWEリーグに参戦することから、来年はリーグを再編成し、新たに10〜12チームの2部制になることが予想される。今シーズンの成績次第だがシルフィードは、来年1部に昇格する可能性が高く、選手にとってはシーズン後半戦のモチベーションの高まりに期待がかかる。一方で、WEリーグへの流出やその逆など選手の移籍が活発になる可能性もある。
なおシルフィードは、今シーズン終了後、来年1月を目処にトップチーム事業を株式会社へ移管。現在のチーム運営母体であるNPO大和シルフィード・スポーツクラブは、地域総合型スポーツクラブとして存続。スポーツスクールを中心に引き続き事業を展開していく。