今年度、大和税務署の署長に就任した 柳沼 康二さん 八王子市在住 56歳
こんな時こそ地域の魅力発信
○…5年前、元町の横浜中税務署に副所長として1年赴任して以来、2度目の神奈川県勤務。着任直後に開催予定だった大和の阿波おどりや座間のひまわりまつりなど管内を代表するイベントが新型コロナの影響でことごとく中止となり「すごく寂しい」と肩を落とす。毎年11月に「税を考える週間」に合わせて開催していた講演会も中止で「安心・親切」な納税をPRする機会を逸し、残念そうに表情を歪めた。
○…福島県郡山市の出身。誕生日の3月15日は、確定申告の期限日。「毎年のように皆に祝ってもらっています」と笑う。中学時代にはじめたバレーボールは、控え選手ながら県2位、東北大会出場の実績を持つ。若い頃には東京国税局管内の大会で優勝経験も。控えめながらも懐かしい思い出話しに華が咲いた。
○…大学受験を控えた頃「目指してみないか」と手渡されたのが税務職員採用試験の知らせ。専門知識の習得や働きながら大学を目指せる事などにも魅かれ受験、見事合格。仙台国税局で採用され、翌年東京国税局へ。そこで大卒の資格を取った。債権管理を中心に携わり、「納税者と接しながら国の歳入を確保する仕事」に生きがいを見出した。局間交流で2年間東日本大震災後のいわき市へ。「申告より、丸一日震災の話を聞くこともあった」。寒い中、被災者に寄り添う当時の姿がダブって見えた。
○…八王子から毎日電車通勤。子どもが成人した今は妻との小旅行が楽しみの一つ。ただコロナ禍の今年は「自宅近くで買い物」がもっぱら。「思ったより史跡が多くて面白い」と歴史好きの心をくすぐる要素を管内に見つけた。海老名の相模国分寺跡を巡るなど、イベントなどで顔見世できない分、地域の魅力探しに余念がない。