市内西鶴間で整体院を経営する高木伸幸さんが実行委員長を務める「小児脳幹部グリオーマ(DIPG)」シンポジウム開催実行委員会が、小児在宅医不足解消の一助になれば、と『医療的ケア児・者在宅医療マニュアル』を、医師や看護師、医学生の希望者に無料で配布する。
DIPGは、脳幹に悪性腫瘍が発生する難治性の小児がん。発症から1年以内の死亡率が約50%とも言われ、小児がんの中でも最も死亡率が高い。高木さんも2013年に、当時11歳の愛娘をDIGPで亡くしている。同会は、高木さんら患者家族が、専門家や関係機関と、小児脳腫瘍治療研究や末期療養の環境改善などの諸課題を共有し、意見交換を行なうシンポジウムの運営を目的に立ち上げた。
C(クラウド)F(ファンディング)活用300冊用意
今回のマニュアル無料配布は、シンポジウムで課題にあがった「小児在宅医不足」解決が目的。同会では「大人を診てきた在宅医なら、小児のマニュアルがあれば可能ではないか」との専門家の意見を受け、様々なアイデアを検討していた。
そんな中、昨年10月に発行された『医療的ケア児・者在宅医療マニュアル』=写真=(南山堂/医療法人財団はるたか会・前田浩利医師ら共著/B6判・217頁/税込3520円)が、具体的な医療的実践をまとめた小児在宅医療の解説書であることから、全国の医師・看護師・医学生を対象に、この解説書を無料配布することを思い立った。資金は、過去にクラウドファンディングで募ったものを活用。無料配布されるのは300冊。
高木さんは「現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、病院での面会制限もあり、住み慣れた家で、療養できる在宅環境は、医療が必要な子どもたちにとって、どれだけ安心できるか。このマニュアルを使用する事で、一人でも多くの医療従事者に小児在宅医療を担っていただける事が私たちの願い」と思いを語った。
同書希望の医療従事者は、「小児脳幹部グリオーマ(DIPG)」シンポジウム開催実行委員会のホームページ(https://dipg.jimdofree.com)の注文受付フォームから、または高木さん【携帯電話】090・3336・6741まで連絡のこと。応募多数の場合は抽選。
なお同書は、書店ほか南山堂ホームページ、インターネットなどでも購入可能。
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