コロナ影響廃棄も検討
大和市内の幼稚園・保育園を始め、横浜市の中学校などに給食を提供する株式会社安田物産(本社・深見西、安田幹仁代表取締役社長)が、コロナ禍で余剰となった日本酒の原料である酒米を使用したメニューを提供している。
使用する酒米は海老名市で160年の歴史を持つ泉橋酒造株式会社(橋場友一代表取締役社長)及び同社が連携している地元農家が生産した酒米(山田錦、楽風舞、こしひかり)約15トン。既に55%に精米したもので、一升瓶に直すと約1万9000本分に相当する。
泉橋酒造によると、コロナ禍のような状況は過去に例がなく、「酒の風味のことを考えると廃棄せざるを得ない」状況だという。泉橋酒造は「酒米の減産は農家の減収につながるのに加え、一度減産した後に再度増産することは極めて困難」と考え、地元農家の事業継続のためにも、と安田物産に協力を要請した。
要請を受けた安田物産では「酒造りの灯を消さないためにも」と7月上旬、創業65周年を記念して取引先などへ寄贈するための純米吟醸酒を250本製造。その後、給食などでの大量使用の検討に入った。同社では、毎月30トンの白米を使用しているが、酒米は初めて。米粒が小さく、通常の白飯としての使用は難しい反面、吸水性がよい、雑味がない、消化が良いなどの特性があることから、弁当給食を提供している幼稚園に100カ所で9月に2度、通常の米にブレンドして炊飯して提供(1日最大約1万700食)。また横浜市教育委員会の承諾を得て、10月11日から横浜市内の14校で、白米の代わりとしての使用がスタート(1日約2000食)。さらに給食委託をする104カ所の保育園にも理解を求め、月に1度酒米を使用した給食やおやつ提供を予定(1日あたり最大約1万2500食)している。
安田物産では保育園での提供に先立ち、栄養衛生管理グループの社員が主体となり、ライスピザやおやき、おやつに出すドーナツやおはぎなどを試作。安田社長は「コロナ収束後、催事などが再開されれば一般の方への提供も検討していきたい」と話している。
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