このほど第62回自然科学観察コンクール(主催/毎日新聞社、自然科学観察研究会、後援/文部科学省)の受賞者が発表され、市立緑野小2年の赤羽深鳥(みどり)さん(中央林間在住)が佳作に選ばれた。応募総数9640点(小学校の部6814点、中学校の部2826点)の中、神奈川県内で入賞したのは赤羽さんのみだった。
同コンクールは1960(昭和35)年から続く、全国の小・中学生を対象にした自由テーマの理科自由研究コンクール。赤羽さんは2019年から続けてきた蚕の観察日記3年分などをまとめて応募した。
観察日記はコンクールへの応募を想定したものではなかったことから、赤羽さんは佳作入賞にもあまりピンとこなかった様子。ただ自分以上に父・一俊さんが喜んでくれたのが嬉しかった様で「お祝いにカニが食べられてよかった」と照れくさそうに感想を述べた。
赤羽さんが蚕に興味を持ったのは2歳の頃、郷土民家園で蚕の展示を見た際に「葉っぱをムシャムシャと音を立てて食べるのが可愛かったから」だという。19年に同園の蚕配布イベントで、数匹分けてもらうと夏休みを利用して飼育。脱皮を繰り返し、糸を吐いて繭を作り、蛹になり羽化し、交尾し、死ぬまでの蚕の一生を写真やイラストを添え、A4用紙20枚ほどの観察日記として1冊にまとめた。夏休み明けに自由研究として幼稚園に持参すると、同じ園に通う園児の保護者らも褒めてくれたという。
観察は小学校にあがってからも継続。郷土民家園での配布イベントがコロナ禍で中止になったことから、専門の業者から蚕21匹を購入。半分を自宅で、半分を学校へ持っていき同級生らと観察した。自宅での様子は動画で撮影。「あけみとりん」のチャンネル名でユーチューブ内に投稿した。
2年生になると観察もより本格化。自宅では両親も協力し、3時間毎の室温や湿度、各個体の体重や排泄の回数などを記録。学校では蚕の餌となる桑の葉を同級生が持ってきてくれるなどの協力もあった。観察日記は60ページにまで及び、観察日記の他、自宅と学校の蚕の成長の違いについても調査し、まとめた。さらには一俊さんが段ボールやペットボトルを使って作った手作りの糸巻き機を使い、繭から糸を巻き取る実験も行った。
将来の夢を「お医者さん」と語る赤羽さん。コンクールの応募、入賞を一つの区切りに、今後は観察の対象を蚕からカエルに変更を検討しているという。
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