43年の長きにわたり地域住民に利用されてきた「つきみの駅前公衆便所」(つきみ野4の5の4)が6月30日をもってその役目を終えた。公衆便所は2022年度中に解体工事を実施し、土地は東急電鉄へ返還される。
1976年に開業した東急田園都市線「つきみ野駅」。開業当初は、駅の構内にトイレが設置されていなかったことから、駅の利用客や一般の通行人に広く利用してもらうため、東急電鉄(株)が「つきみ野駅前公衆便所」を1979年6月、駅前に建設した。完成後は同社から大和市に寄付され、これまで市が管理を行ってきた。
駅前便所は建築面積22・40平方メートル。旧耐震基準に準じた鉄筋コンクリート造。建物には、男性用が大便器1据え、小便器1据え、手洗い2カ所と、女性用が大便器2据え、手洗い2カ所が備えられていたが、便器はすべて和式であった。2007年にはつきみ野駅構内に多機能のトイレが設置。市によると同便所を利用する地元の人は年々少なくなり、ここ数年はタクシーやトラック運転手の利用にとどまるなど、建設当初の役割も薄れていた。
こうした事情に加え、建設から43年という長い年月が経過したことにより、天井が剥がれていたり、配線がむき出しになるなど、建物や設備の老朽化が進行していた。補修には多額の費用が必要になることや、年間の維持管理費が約320万円にまで膨らんでいることから、市は2022年度中に解体工事を実施することを決定し、6月30日をもって使用を禁止した。「長年、利用されてきた公衆便所を解体するのはさみしい思いもあるが、市民の安全面、経費の面から仕方なかった」と市環境管理センターの担当者は話す。
地元のつきみ野自治会の山元哲夫会長は「解体後のスペースは、現在、地元住民の憩いの場となっている駅前ベンチなどを増やすなど、有効活用できるように東急電鉄さんに依頼していきたい」と話した。
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