大和 人物風土記
公開日:2022.09.16
上和田薬王院双盤念佛保存会の会長を務める
遠藤 功一さん
上和田在住 77歳
面倒見の良さで伝統守る
○…9月6日、12年に一度しか開かない市内上和田の薬王院の本尊・薬師如来像を納めた厨子の扉が開かれた。姿を現した本尊の前で双盤念仏を唱えた「上和田薬王院双盤念佛保存会」の会長を務める。保存会に所属するのは、古くから同地の長を務めてきた末裔23人。遠藤さんは「300年以上、地域の長らで継いできた双盤念仏は上和田に残さなければならないもの」と話す。
○…保存会には30歳から所属するが、一度会を離れた。「鉦の叩き方が難しくて。全部で4通りを覚えるのが本当に大変。48歳に復帰して一通り覚えるのに10年かかったよ。今は叩く機会が減ったけど、たまに叩くと間違える」といたずらっ子のような笑顔を見せる。会長になって10年、次世代に地域の伝統を残す難しさは自らも痛感している。かつては薬王院を管理する自治会長も務め、9月8日に行われる本尊・薬師如来の縁日も取り仕切っていた。
○…薬王院にほど近い場所で、農家の次男坊として生まれ今も暮らす。子どもの頃から身近な薬王院は、幼少の時は格好の遊び場所だった。境内で相撲を取ったり、雨の日にはお堂で卓球を楽しんだ。「近所の子を集めて面倒を見るのが当たり前の時代の話だよ。畑でもいだトマトをおやつに釣り竿持って、境川に釣り行くぞー、なんてね」と当時の話は尽きない。
○…家族は妻と長女、長男の4人。跡取りの長男に保存会への入会を促すも、今のところまだ首を縦に振らないでいる。「保存会はさ、双盤念仏だけを教えてもらう場だけではないんだよ。地域のしきたりをさ、げらげら馬鹿話をしながら自分より目上の人に教えてもらったり、将来に役立つ話がいっぱいきける場なんだけどねぇ」とつるりと額を撫でた。
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