9年前から訴えていた政策が大きく前進 「こもりびと支援条例」が制定 大和市議会議員 佐藤正のり(大和正風会)
9月27日、市議会本会議が開かれ「大和市こもりびと支援条例」が全員賛成で可決・成立し、即日施行されました。「こもりびと」とは、「ひきこもり」の状態にある方々に寄り添いたいとの思いから、大和市ではひきこもりという言葉を使わず「こもりびと」という呼称を使っています。
かつて「こもりびと」は不登校問題と同一視され、10代から20代の若者の問題と捉えられ、社会問題として顕在化されませんでしたが、実際には30代以上の「こもりびと」も存在していました。近年、「8050問題」という言葉に象徴されるように、80代の親と「こもりびと」状態の50代の子が同居し、社会からの孤立や困窮に苦しむ方々がクローズアップされるようになりました。
そのきっかけの一つが2019年の川崎市多摩区で「こもりびと」の男が、登校中の小学生らを次々と刃物で襲った事件です。数日後、元農水省次官の「こもりびと」の長男は、この事件に影響を受けて、運動会の児童を殺害すると発言し、父親は自ら息子を殺めてしまう悲劇が起きました。
私は事件が起きる6年前から、この問題を繰り返し市議会で取り上げ、問題解決につながる取り組みを訴えてきました。
その結果、市は「こもりびと支援窓口」を設置し、こもりびとコーディネーターが、ひきこもりに伴う悩みや日常生活における困りごと、就労や社会活動、将来への不安などについての相談に応じています。また当事者や家族だけではなく、広く市民に「こもりびと」の実情を知っていただき、偏見を無くし、支援の輪を広げるために講演会を開催し、動画をHPで公開しています。
条例制定により、ひきこもりの問題が誰にでも起こり得ること、当事者や家族等にとって周囲の理解が大切であることなどを明示するとともに、市の責務や市民及び関係機関の役割を明確にし、市として将来にわたって支援を行っていく姿勢を広く示しました。
今後も「こもりびと」を含む誰一人取り残さない、「誰でも居場所と出番のある社会」の実現に向け、活動してまいります。お気軽に御意見、御要望をお寄せください。
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