跡継ぎ不足や高齢化といった悩みを抱える地元農家をサポートしようと、有志で結成された「島津おいしいやさいの会」(荻窪登会長)が4月21日(金)、「深見直売所」(深見906)をオープンさせる。
「島津おいしいやさいの会」は、任意団体として今年2月に発足。会長の荻窪登さん(55)は大和市で不動産業を営むかたわら、6年ほど前から親族が所有する畑を整備し、保育園児と米作りをするなど「食育」にも携わるようになった。
こうした中、市内の農業従事者がこの30年間で大幅に減少していることを知った荻窪さんは、つながりのある仲間や金融機関、団体などと連携して深見直売所の開設に奔走。藤沢街道の東名高速道路高架より南側、大和東高校の周辺一帯を指す「島津」地区の農家に声をかけた。当日は地元農家5軒が出店。ブロッコリーやレタス、チンゲン菜、タケノコなどを販売する予定だ。同会では、島津地区の生産物を販売することを通じて「地域社会の活性化」「地域の環境保全」「地域福祉の増進」を目指す。
甲子園にバス12台
地元に生まれ育った荻窪さんは、藤嶺藤沢高校野球部の3年時、夏の甲子園に出場。この時、島津地区の農家の人たちがバス12台をチャーターして応援に駆け付けてくれたという。「本当にうれしかった。(深見直売所は)あの時の恩返しでもある」と荻窪さん。
直売所広げたい
今後、荻窪さんは直売所を増やしていきたい意向で「協賛農家を各地に増やして、販路に悩んでいる農家の活性化に貢献していきたい」と話す。
保育園だけでなく幼稚園や小学校などとも連携し「直売所で地元農家と子どもたちが世代を超えて交流し、未来の地元農業の発展につながっていけば」と期待している。
深見直売所は、荻窪さんの叔母が所有する1千平方メートルの畑。アクセスは、大和駅前からコミュニティバスに乗車し「島津」バス停下車すぐ。毎週金曜開設。午前9時〜正午。雨天中止。
問い合わせは荻窪さん【携帯電話】090・3407・2559へ。