福田出身の絵本作家・chicaさんが、7月21日(金)から大和市で初となる個展「いつかみた未来、ここからみる未来展」をシリウスで開く。かつて深い悲しみの底にいた自分を救った「絵」で、故郷に恩返しをする。
現在は県外を拠点に「絵描き」として活動しているchicaさん。優しい表情が魅力の「まんなかちゃん」(=写真)をメインに描いており、作品数は数えきれないほどに。今回はその中から約150点を厳選し「これまでに開いた個展の中でも最大の規模になる」と話している。
寄り添うアートを
大和市で個展を開くきっかけとなったのは、昨年7月に美容室で読んだ雑誌の記事だった。そこには市文化創造拠点シリウスに関する記事が掲載されており、同年12月に活動20周年を迎えることも重なり「記事を読んだら、(大和市が)呼んでくれているような気がして」。すぐさまシリウスへ足を運び、集大成を披露する場所に選んだ。
活動のコンセプトは「日常に寄り添うアートを」。自身が辛かった時の経験もふまえ、「ふと出会えるパブリックアートのような作品になれたら」と前を向く。
クレヨンが転機に
chicaさんが絵を描き始めたのは大学生の時から。「子どもの頃から母と美術館へ足を運ぶほど観るのは好きでした」と話すも、自身が描くことはなかった。
就職活動を控えていた2002年、最愛の母が亡くなった。「当時は世界がモノクロになって見えていました」。悲しみの中、大和駅前にあるユザワヤで販売していたクレヨンセットを見つけたのが転機となった。「色ってこんなに鮮やかなんだ」。その場でクレヨンセットを購入し、ここから「絵描き」としての第一歩を踏み出した。
購入後は創作活動にのめり込み、描いた作品は相模大野、町田、下北沢などの駅ロータリーで展示した。通行人たちからもらった「価格を付けた方がいいよ」の声が自信につながり「初めての収入は5円。まさに"ご縁"を感じました」と微笑む。大学卒業後は絵に専念する道を選び、数年間市内で過ごした後、県外へ拠点を移した。
大和市での開催は今回が初めて。「生まれ育った街だからこそ、万全を期して臨みたかった。大和市へ恩返しができたら」と準備は万端だ。
個展の開催期間は7月21日(金)〜23日(日)。午前10時〜午後6時(最終日は午後4時)。入場無料。
(問)【メール】contact@ichinica.com
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