徒然想 連載306 花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄
残暑が厳しい今月は、惣(そう)じていうときは真の善知識というは諸仏菩薩なり、別していうときはわれに法を与えたまえる人なり。です。
出典は、鎌倉、室町、存覚(ぞんかく)著『浄土真要鈔(じょうどしんようしょう』。
意は、真のよき師(またはよき友)とは、諸仏や菩薩がたのことで、私たちに仏法を与えてくださる方のことです。
善知識とは、元々は善友すなわち、よき友、親心、心の友を意味するが、ここでは特に教えを説いて仏道に導いてくれる方をさしている。この教えを導く方をここで「真の善知識」と言っているのです。釈尊は無上の悟りをひらいて人々を救済する方であり、菩薩はすべての人々の救済を願って仏道を歩む方のことです。諸仏や諸菩薩はすべて「真の善知識」だと、師は説いている。