徒然想 連載311 花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄
この月は、寒明けがあり、立春が月初めにありますが、寒気は一年中で最も厳しい。
本月は、栴檀(せんだん)の林に入って一枝も攀(よ)じず。崑崙山(こんろんざん)に陟(のぼ)って片玉(かたぎょく)をも取らざるがごとし、です。
出典は平安代、『勧心略要集(かんじんりゃくようしゅう』源信著(不明)。
意は、香しい香木である栴檀の林に入りながら木に登り、枝を取ろうとすらしない。宝玉が無尽蔵だという崑崙山へ登りながら、その一かけらも拾ってこようとしない。絶好のチャンスを逃している、ということです。
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