徒然想 連載314 花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄
今月は、如来の衣とは、柔和、忍辱(にんにく)の心是なり、です。
出典は 中国、隋代、天台智顗(てんだいちぎ)説、『摩訶止観(まかしかん)』。
意は、佛が着る服は、柔和と忍辱の心です、ということです。
仏教徒は袈裟(けさ)を着ける。如来の衣とは、この袈裟のことです。私達は、各種の仕事に適合した服装をしますが、僧侶は袈裟を身に着けます。仏教教団に入団する時は、頭を剃り、袈裟を着けるのが規則です。このような僧形は、柔和な心、忍辱の心の表現にほかならないのです。
柔和とは、感情豊かで柔軟な優しい心。忍辱とは、どんな辱めにも耐え堪忍して大願に生きることです。木偶(でく)の坊と呼ばれても苦にしない心の持ち主は、深い苦しみに沈んでいる人々の心と感応し、仏道を実践しようとするからです。
心の安らぎを得る唯一の大願の成就のため、佛の服を着けて心を養い、ものごとに対応し、ひたすら己の信ずる所を行ずるのが、大事だと師は教えています。
桃蹊庵主 合掌
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