つきみ野地区で24日、東京工業大学の大学院でまちづくりを研究する学生ら約50人が、まちなかの居場所づくりをテーマに現地を視察した。学生がまとめたアイデアを参考に、地元のつきみ野自治会が実現の可能性を探ることにしている。
大和市北部で東急田園都市線「つきみ野駅」の南北に広がるつきみ野地区には、5564世帯1万3501人が暮らしている(2024年5月時点)。このうち65歳以上の高齢者が占める割合は25・2%で、市全体の23・9%より上回っている(23年7月末時点)。
こうしたなか、地元のつきみ野自治会(山元哲夫会長)では数年前から、まちづくり委員会(佐藤知明委員長)を中心に地域へのベンチの設置が議論されてきた。これまでにも他大学との連携を行っていた背景もあり、今回は東工大側からフィールドワークの提案を受けたという。
24日の現地視察には地元関係者20人と大学院生ら50人が参加。学生がまちづくり委員会のメンバーらから地域の好きな場所や課題などについて話を聞き、メンバーの案内で地域を歩いた。
この日の現地視察で得た情報をもとに5月31日に東工大すずかけ台キャンパスで学生らがアイデアをまとめ、段ボールでモデル案を作成する。地元はこの案を参考に、ベンチの設置へ向けた取り組みを進める考え。
今回参加した修士1年の牧野桃子さん(23)は「つきみ野は自然が豊かで歩行者に優しい環境だと感じた。高さや素材、多様性などにこだわり、住民が利用しやすいベンチを提案したい」と、フィールドワークを振り返った。
まちづくり委員会の佐藤委員長は「住民と学生とで良い授業が組み立てられたので良かった。住民も大学院生と一緒に街について考えたことはなかったので、刺激になったと思う」と話した。
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