気候変動などにより夏場の気温が年々上昇し、熱中症などの深刻な健康被害が懸念される中、大和市ではその対策として市立中学校の体育館に空調設備を整備する。2024年度は4校で実施する方針で、実施設計費用として2094万3千円を盛り込んだ補正予算案が、開会中の定例会に上程されている。
体育館の空調整備は、つきみ野・鶴間・南林間・光丘で先行して行う。今年度は工事の実施設計を外部委託し、25年9月以降に着工、25年度中に完成させる方針だ。
市教育総務課によると、空調設備の工事にあたっては国の交付金を活用する。断熱性を有する体育館が交付金の対象であることから、その条件を満たすことと、地域性などを考慮し4校が選ばれた。残る5校も26年度中に整備を終え、小学校についても27年度以降に順次着手し、29年度中の完了を目指す。市内19公立小のうち北大和小学校は23年2月に体育館の建て替えがあり、すでに空調も整備されている。
同課によると、昨年度は熱中症の恐れがあることに起因して体育の授業が行えなかった日数が、学校によっては7〜9月中旬までに10〜15日程度あった。夏場は、保健やスポーツの座学を実施したり、フォークダンスなどの比較的緩やかな運動を優先するなど各校が対応に腐心し、「総じて年間で何とかやりくりしている状況」だという。
災害時も想定
今回の整備計画は、こうした教育現場での課題解消だけでなく災害時も想定している。体育館は大地震などの発生時に地域住民が避難生活を送る場所として使用されることから、市では空調設備を整備し避難生活に伴う身体的・精神的なダメージが原因で亡くなる、いわゆる「災害関連死」などへの対策も図る。
同課担当者は「部活動などで体育館を利用する機会の多い中学校を先行して整備していく。市の財政状況もあるが、小学校の体育館まで速やかに整備を進めていきたい」と話している。
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